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誰よりも愛していたつもりだった。

この世界を。そしてあの人を。








今だ青空が見え、そして気温が0度より高いところはタワー

以外の所では大変貴重な物である。 例えそれが人工の物であっても。

頬をたなびく風はタワー内に慣れた人間からしてみればよほど寒いと

思うかもしれないが、ここの住民はそんなことは思わないらしい。

今日は何が嬉しいのか雲一つ無い快晴。 

背中で纏められた濃い藍色の髪の毛に薄青いラインが入った動きやすそうな服から

見える見事なコントラストを描く肌。

一度見たらしばらくは忘れられないほどの容姿。

そんな彼女――水翼水紀は今大阪タワーと神戸タワーに阻まれた

小さな町に来ていた。 

「……………………」

凛々しく眉を上げた先に居るのは三人の男。

そして男達もこちらを見据えていた。

おそらく彼らが例の機密書類を持ち出した犯人だろう。

「ようっ………ねえちゃん。 結構可愛い顔してんじゃねえか」

一人が声をかけてきた。 年はせいぜい20代後半と言ったところか。

残りの二人もそれくらいの年だろうと思う。

「あなた達が持っている書類をこちらに渡しなさい」

淡々と告げる。 すると三人は笑いながら

「お前みたいな弱そうな奴にこれをとれるのか? ふざけた話だなあ」

言って三人笑う。 そして急に目つきが変わり

「とれるもんならとってみな」

(世界改変感知)

「知らないわよ  これから先に見る物は」

水紀はまた、淡々と告げた。




わずか一秒足らずで動かなくなった男達三人を見つめ

その一人から端末を奪う。 パスワードを解き

盗まれたファイルを全て回収し、読み出し不能にしておく。

周りには丁度誰かが見た覚えは無い。 こちらとしては

好都合なもの。 あとはこれをタワーに渡すだけだ。

中のファイルを確認する。 すると必要ファイル

(『世界改変』遺伝子変換プログラム)

が脳内に表示された。 目的のファイルはこれのみ。

そろそろ帰ろうとして目的のプログラムを呼び出す。

(VC稼働率10% 『身体制御』 運動値40倍  知覚値20倍に設定)

一気に跳躍した水紀を肉眼でとらえた者は居なかった。


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