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「失礼します」

「きたか」

白い顎髭を少し長めに伸ばし壮年と言うには少し若い気もするが

少し白髪が交じった茶髪の男はあまり桜が来たことにたいして

態度が改まらない。それもそのはず。

「お久しぶりです、メラッセ大隊長」

「任務ご苦労だった、桜殿」

「いえ…………それは」

その言葉を手で遮り、片手で端末に手を伸ばす。

浮かび上がった立体ディスプレイには現在位置(シンガポールタワー)

と共にあの少年……たしか名前は暁と言っていた……の場所が点滅されていた。

「奪われたのは?」

あまり抑揚の無い言葉だがそれはいつものことだったので

「培養槽の中に居た少女一名と機密ディスクです」

「そうか」

顎に手を伸ばし考えるような素振りをする。しばらくして

「まぁ………いい。あのことは別の係りにでも任せるとするか」

「何故ですか」

今度こそ桜は少し声音を変え、言った。

  「あの少女は、誰なのですか?」

問いつめる。だがそれにメラッセは動じた様子もなく

「さあな」

それだけ言って腰掛けていた椅子に座り直す。いつまでも笑みを

絶えさないこの男は『崩されない戦略家』と言うほどの異名を

持つ天才的な軍師だ。 いかなる場合でも冷静に

するべき事を判断し最小限で被害を食い止める。

そして、もう一つは彼自身がとても優秀な武術家だと言うこと。

だがVCを持っている桜にしてみればそんなものなんでもない。

戦ったことは無いが、人間の域を超えるにはVC、そして

『世界改変』が使えなければ桜に勝つことは無理であろう。

「もう下がって良いぞ」

「ですが」

血が上る。がすぐにそれは冷や汗と変わる。

「何故、私がここにきたか、知っているか?」

「それは存じません」

「それは…………」

いってメラッセは口を噤み

「今から、日本国にある全てのタワーを全面制圧に入る」

今度こそ桜は言葉を失った。


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