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「暁さーんっ」
もう…………やばいっ…………
「暁さんってばぁーっ」
甘い声で言われるが使い果たした体からは生気が見られない。
すぐにでも倒れたかったが、座るところが無いのでひたすら
意味も無く立っていた。
「もーうっ」
少女はこちらに駆け寄ってきて、暁の右腕のコートの裾を
引っ張って、川の岸に連れて行く。川岸には、今の時代の
技術によって浄化された水が流れている。
「水が流れてます………」
あれからもなかなか相手の顔を見れなかった暁だったが、ようやく冷静に
物を見れるようになっていた。
少女は新しい物を発見した眼で膝を抱え、両手で頬杖を付きながら
うきうきの口調で言っていた。
――――――そんなことはどうでも良かった。
体力にはかなり分があると思っていた。が、
全然この少女には追いつかない……ような気がする。
何かあるたんびに、その方向に飛んでいく。朝からずっとこれだ。
昼ご飯は適当に光ねえと康樹にい特製の『ミニ食物プラント』で
作った、人工のハンバーガーとお茶だ。
だが昼ご飯中もどっかに行こうとするミリィにはほとほと困ったが………。
町が小さくてこれだけいろいろ発見するなら『タワー』内なら死ぬきで
やらなきゃな……と考える。
少女を覗き込むと少女は笑顔でこちらを振り向き、
「ねぇ……あきらさん……」
「えっ?…………あっ……あぁ…」
意識が別の所に飛んでいたので何を言っていたのかわからなかったので
あいまいに返事をすると、ミリィは少し不機嫌そうに
口を尖らせた。 近くに落ちていた石を手で取ってみると
なかなか平べったかったので石切をしてみる。 向こう岸までは
届かなかったがそれでも八回ぐらいはいっただろうか、
それを見ていたミリィは
「えっ…………それなんですか?教えてくださいよー」
と右腕にすがりつく。仕方なくまた近くにあった小柄な石を右手で持ち、
構えると少女はすぐどいて黙ってこちらを見ていた。
(『身体制御』起動 運動値3倍に設定)
VCをせっかくなので使ってみる。川岸に来るのは久しぶりだったし
今度来るのもわからないからだ
瞬発力があがった肉体で手首のスナップを利かせて高速で投げる、
1…………………2…………………
――妙にゆっくりに見えたがスピードはさっきに比べればあがっているはずだ。
3…………………4…………………
――水面に浮かぶ石から放たれる水の波紋
5…………………6…………………
――波紋は次々と生まれやがて川の水と共に消えていく
7…………………8…………………
――波紋に吸い込まれるような勢いはやがて小さくなり
9…………………10………
10回だったそこでぽちゃっと音がして石は消えた。
すこし右にカーブを描きながら石の波紋はやがて消える――
少し笑顔で少女を見やると少女もこちらを振り返って
にっこりと微笑み、そして川岸、空を見て――暁も空を見る――
普段と変わらない肌寒く殺風景な空だ――――――
――――――だけど今はなんとなく温かかった。
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