最短1分の懸賞!
「もらうねっと」




しばらく目が離せなかった。 というよりこちらにもたれてくるまでずっと少女を見つめて いた。

薄い茶色味がかった瞳に鮮やかで高潔な茶色の髪、しなやかな容姿。

もたれかかってきたときどうすればいいかもわからず顔を真っ赤にしながらもとりあえず

「僕の服を着て………」

何も来ていない少女は一瞬だけもう一度こちらを見上げた。

暁は着ていた耐絶対零度用の真っ黒なロングコートを着せてあげた。

どちらもそこでいったん座った。 とても軽い彼女を椅子に座らせるのはたやすいことだっ た。

若干欲望に駆られそうになったのを必死で押しとどめロングコートを着せる。

少女はちょうど暁と同じくらい――暁は十四だ――なので少しは喋れるかと……

「ねえ…君名前は?」

「……………………」

黙ったままだ。 何も喋れないと言うわけではなさそうだが、何とも可愛らしいので

思わず顔に出そうになったのを押しとどめて薄茶色の瞳を見据える。

すると、

「…………ミ……ィ……」

少女は視線を逸らしてうつむき、そう言った。あまりにも聞こえないのでとっさに

「えっ?」

少女はびくっと震えて怯えたまなざしを見せる。そしてもう一度

「ミ…………ミリィ…………」

「ミリィ?」

もう一度聞き返すと少女はこくりと頷いた。 

いろいろ考えを巡らせていると、

「…………あのっ……――」

(『世界改変』感知)

何かを言いたげた言葉は途中で遮られた――暁に口をふさがれたのだ。

「やはりこちらだったか」


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