…………ひっく



しばらくミリィを一人に――――するのは大変な苦労を用いった。

かなり説得してようやく暁達姉、兄、弟三人にさせてもらい

リビングに集まった。ちなみにミリィは暁の部屋である。

「さあ……教えてもらいましょうか?」

右手をテーブルに押しつけそれにもたれかかるようにしてこちらを

見ながら、威圧感を讃えた声音で言う。

光は暁に怒鳴りつけ、鋭い視線で暁を見やる。

暁は少しうつむき声のトーンを落として、

「依頼を受けに行ったんだ。」

瞼は若干虚ろだが意志は見受けられるその少年に

「あの子を奪ってこいって?」

「ディスクを奪ってくるのが仕事だ」

挑発的に言うとすぐ熱くなるのが暁の癖だ。 だが暁の言っていることが

事実とはとても言い難いので康樹は

「じゃああの女の子は何?」

優しい口調問う。すると暁は俯いた。光と康樹は顔を合わせ

うなずき合う。

「で、あのミリィちゃんをどうしろって?」

「………………」

暁はうつむき加減のまま。淡々と徐々に康樹は状況を把握していく。

何故把握できるかは置いておくとして。

光は少し視線を柔らかくして

「じゃあ、この辺で家を準備してあげればいいかしら?」

こっくりと頷く。

「じゃあ……その辺は町長に相談するとして……聞きたいことがあるんだ」

「何、康樹兄」

次の疑問を康樹は問う

「何故誰も居ないのに依頼を受けた?」

「それは……」

いったん沈黙してから

「メールの依頼を見たら僕宛で依頼も僕だけでこなして欲しいと…」

「危ないじゃない」

光は怒った口調で言う。

「暁っ……」

殴りかからん勢いで暁を掴もうとする。暁は観念し目を瞑る。

だがやってきたのは思わぬ出来事だった。

「もう………心配させないでね……」

光は涙を流して暁を抱きしめていた。 暁は申し訳なさそうに

「ごめんなさい」

と言った。 光は柔らかい笑みを浮かべ

「もう……あまり無茶はしないで……私の大事な弟なんだから………」

光は暁を抱きしめる。

康樹は無言だが柔らかな表情でこちらを見つめていた。




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