がたっ
ドアを開けて机の椅子に歩み寄る。少女は目を輝かせこちらを向いた。
ベットに腰をかけながら彼女を見る。
真紅の純粋な瞳に吸い込まれそうになりながらも聞くべき事を
なんとか口から絞る。
「ねえ、ミリィちゃん?」
「はいっ、なんですかぁ」
素直に言う少女は本当に天使のようだ。
「他に呼び方は?名字とか」
「えっ………………」
しばらく考える仕草をするが何も出てこないのか無言のままだ。
「もしかして……無い?」
少女は泣きそうな顔でこちらを見つめ、暁はとまどった。
これが女の涙か……などと違うことも同時に考えたが……
「じゃあミリィちゃんでいい?」
「…………えーっとミリィって呼び捨てで呼んでくださいね」
と言ってやっぱりこちらに飛びかかってきてベットに押し倒される。
彼女の愛情表現には少し欲情するがそこは、押さえる。
「だから……男の人には飛びかかっちゃダメ」
「…………はい……」
お願いもそうなのか……などと思いながら少女を見るとしゅんとしながら、
「やっぱりダメですか?」
「いやっダメじゃないけど……」
そこまでで暁の言い分は終わった。少女は顔を輝かせ彼に
ぬくもりを与える。 暁は少し赤くなりながら。
(……………だめじゃないけどなぁ……)
と思考を巡らせた。 なかなかかける言葉が思いつかない………
少女は真紅の瞳をこちらに向けている。
「み………………」
「み?」
「み…………ミリィ?」
するとミリィは嬉しそうに顔を赤くしてぎゅっと暁を抱きしめる。
ただ抱きつかれた事に関してどうすればいいかわからずただ真っ赤になった。
――――思考が停止する前に何とか考えていたことを口にだす。
「あの……ミリィ?」
「はい、」
元気よく返事する。よほど気に入ってくれたのだろうか?
「その………僕は四日寝てたんだよね?」
「…………うん。」
しばらく考えて言う。記憶はワリと浅いらしい。
「その間お姉ちゃんとか誰かこの部屋に入れた?」
「ううん、誰も入れなかったよ」
即答。
「全部ミリィがやってたの?」
「うん」
「もしかして、着替えとかも僕にした?」
「うん、………あ、………えーっと………その……」
しばらく赤くなったり笑ってみたり……顔がくるくる変わるのを見ているの
可愛くてつい笑ってしまう。
「着替えや洗濯や掃除や栄養補給とか暁さんに必要な看病とか全部しました」
えらいでしょっと言わんばかりの声音。しかも暁のことをさん付けで……
「お姉ちゃんとかに頼らなかったの?」
「うん」
「どうして?」
強い口調で言うと怯えたように少しだけ目を伏せ
「いけなかった?」
「いや、いけなくはナイケド…」
「じゃ……じゃあなんで怒るんですかぁ?」
涙を流しそうな――いやっ流しているミリィは泣きじゃくり暁から降りてベットに
すがりつく。思わず、暁は慌てて手を振って。
「ご……ごめんっ怒ってないから」
「ほんとですかぁ」
「うん」
笑顔で言うと泣きじゃくった悲しそうな顔を変えて、今までうれし泣きをしていたかのように
とびっきりの笑顔で抱きつく。暁は
(もうっやばいよ)
理性を押さえるのに必死だった。
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