ドアを開けると、いい香り。

ミルクティとイチゴのジャムを塗ったパンは

お腹が減った暁にとってはいくらでも食べられそうだった。

「いっただっきまーす」

すぐ椅子に座って、食べ始める。 食卓には

すでに、康樹と光は座っていた。ドアの手前側でミリィと一緒に

座り、一口紅茶を飲む。 

ミリィとはなかなか顔を合わせられなかった。

しばらく、みんな黙々と食べていたが、二枚目のパンの半分ぐらい食べた頃、

「ミリィちゃんは、ここでしたいこととかある?」

康樹が尋ね、ミリィが考える仕草をする。

さっきこの場を出る前に聞きたいことをとりあえず聞き出そう

といろいろ決めていた。 

10秒ぐらいしてからぱっと明るい笑顔を取り戻し、

「特に何もないですけど……」

笑顔で言われるとつい、つられて笑顔になってしまうのが自分でもだめだな

なんて思ってもないことを頭で考えるが、次の一言で暁は………

「だから暁さんとどこか行きたいです。」

『えっ』

三人の絶妙なハーモニー。

ミリィそういって、暁の腕を抱いた。

姉の目は呆れの眼から死に神の眼に変わったような気がした。 が素知らぬ口調で

「じゃあ、この町を案内してやりなさよ」

「お……俺が?」

「あんた以外に暇な奴はいないでしょ」

…………と言うよりも他の人では一緒に行かないな……

と心の中でひっそり思っている暁だった……。


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